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GPS関係




     「目 次」

  1 登山者はGPSを携帯しよう
  2 GPSの機能
  3 GPSの設定
  4 地図の準備
  5 GPSの有効活用で必要なもの
  6 GPSを使って地形図上で位置を確定する方法
  7 カシミール3D
  8 山旅倶楽部
  9 GPS格納用日本地形図
 10 GPS関係のホームページ
 11 標準と省エネモードの比較
 12 GPSテスト結果(TP積算距離・ログ軌跡距離・総上昇量)
 13 GPS軌跡ログの格納件数の制限について




総ての写真が、マウスのクリックで拡大表示されます。
測地系は「日本測地系」を基準にしています。
このGPS関係の内容は筆者個人の経験をもとに記述していますが、内容を保証するものではありません。
実際にGPSを使用される場合は、個人の責任でご使用ください。




1 登山者はGPSを携帯しよう

登山で道に迷うほど危険なことはありません。道迷いは単独行動・グループ行動に関係なく発生します。
道迷いに気づいたら元の道に戻るのが鉄則ですが、道が不明瞭な場合などは元の道に戻れない場合もあります。
注意していても、「分岐で道標が無い、地図にない作業道や立派な獣道が分岐している、踏み跡程度で道が不明瞭、地図には載っているのに廃道になっている」など、道迷いの起きる原因はいくらでもあります。
プロのガイドでも、地図を見ないで歩いたあと、急に地図を見せられて現在位置を示せといわれても判らないと云います。
そのため、ガイドは歩き始めから、地図で頻繁に現在位置を確認しながら歩いています。
このように、地図を持参していても、よほど地図読みに精通していないと、現在位置を把握することは非常に難しいのです。
一般登山者のレベルであれば、迷った後で地図を見ても、現在位置を確定することは非常に困難であると考えるべきです。
私も、「地図の読み方」など数冊の本を読んでみましたが、未だに地図読みが身につきません。
登山道で休憩時に地図を拡げても、現在位置を特定できることは殆どありません。
地形図からマクロ的に地形をイメージできても、細部や距離感がどうしても一致しないことが多いのです。

GPSを使うと次のような利点があります。
1.GPSの表示する緯度経度で、地図上で現在位置を確定できる。
2.現在歩いている登山道が、目的地に向かう正しい登山道であることを確認できる。
3.冬山などで登山道が無くても、現在位置の確定が容易である。
4.濃霧、吹雪などで視界が不良でも、進路を確定でき安心して行動できる。
5.迷ったとき、トレースバック(軌跡ナビ)機能を使って、出発点に戻れる。



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2 GPSの機能

@現在使用している「GARMIN社」のGPSについて説明します。

機能が非常に豊富なため、以下の解説は登山に最低限必要な機能に限定しています。

(使用機器)
  ETREX VISTA C 日本版 (カラー、日本語表示)
  単三乾電池 2本使用 (省エネモードで最大20時間使用可能)
GPS装置 Garmin ETREX VISTA C 日本版
(カラー、日本語表示)


A 2006年10月 改良版の「VISTA Cx 日本版」が発売になりました。

主な改良点は、次のとおりです。
●新たにMicroSDカード装置が追加され、地図格納用のデーター領域がMicroSDカード使用に変わった。
●電池寿命が、単三乾電池2本で約20時間から32時間へと大幅に伸びた(省エネモード時)。
MicroSDカード装置を追加したことにより、記憶できる軌跡ポイント数がmicroSDメモリの範囲内で無制限となった。 (ETREX VISTA C 日本版 では最大10000ポイントまで)

写真のGPS(VISTA C)は、地図格納データ領域が約38MBですが、MicroSDカードは2GB(2000MB)の容量のものもあり、広範囲の地図データーを格納する事ができます(別途購入)。
電池寿命が大幅に伸びたのは、大きな改良点です。
記憶できる軌跡ポイント数の制限が無くなったことは、詳細データの保存のうえで大きな改良点です。
ここまで進歩すると、あとはこのままの形状で、GPS電波の受信感度を飛躍的に向上させた新製品の発売を望むばかりです。

B 2007年10月頃 高感度版の「VISTA HCx 日本版」が発売になりました。

この製品は、受信部に新たに高感度品が使用されています。従来のCxの仕様はそのままで受信部のみが改良されているようです。
電池寿命は28時間から25時間に3時間分減っています。(通常モード) 省電力モードの有無不明
ネットで調べたら、購入した人は全員が高感度を評価していますので、大幅に衛星捕捉能力が向上しているものと思われます。
この製品は今回の改良でほぼ完成の域に達したと思われます。
高感度・高測位精度・カラー化・カードスロット装備(メモリ制限なし)と、必要な機能は総て揃いました。


C2008年03月に「Vista HCx 日本版」を購入しました。

・感度について
 今までマンションの室内ではGPS衛星の電波は受信できませんでしたが、このVista HCxは窓の近くで正常に受信することができました。
 かなり高感度になっているようです。

・マイクロSDについて
 マイクロSDのファイルフォーマットは「FAT形式」です。パソコンで初期化できます。
 マイクロSDに軌跡ログを記憶するためには、「軌跡ログ設定」画面の「データーカード設定」を選択して、「データーカードに軌跡保存」にチェックを入れます。

 記憶は一日単位で、「YYYYMMDD.GPX」という名称のファイルが作成されます。
 記憶内容は、内蔵メモリー(Max10,000ポイント)に格納される内容と全く同じです。
 このGPXファイルは、カシミール3Dの軌跡ログにそのまま追加することができ、カシミール3Dで正常に動作します。
 GPS装置側でマイクロSDに記憶した軌跡を呼び出して利用することはできません。利用できるのはパソコンのみです。

 私は1GBのマイクロSDを購入しました。
 1/25000地形図(全道分、300MB)を入れても、まだ640MBの余裕がありますので、一年間分の軌跡ログを余裕で保存できます。

(2010/07/01 追加)
 マイクロSDに保存する軌跡ログの件数に制限値が存在することが判りました。
 運用上は問題ない範囲の制限値ですが、パソコンに全ての軌跡ログを保存するようにしている場合は、「13 GPS軌跡ログの格納件数の制限について」を参考にしてください。


・軌跡ログについて
 従来と同じく内蔵メモリー(Max10,000ポイント)を備えています。
 「軌跡」画面で軌跡ログの「ON」にチェックを入れると、内蔵メモリーに軌跡が記憶されます。(従来どおり)
 GPS装置で利用できる軌跡はこの「軌跡」画面の「保存軌跡」のみです。
 出発地点に戻る軌跡ナビを利用する場合は、その時点で軌跡ログを保存して、保存した軌跡を選んで軌跡ナビを行います。

・パソコンとの接続
(1) 内蔵メモリーの内容をパソコン(カシミール3D)に取り込む場合 (従来どおり)
  カシミール3Dを起動します。
  パソコンとGPSをUSBケーブルで接続して、GPSの電源を入れます。
  カシミール3Dの「通信」機能を利用して軌跡データーをパソコンに取り込みます。

(2) マイクロSDのファイルをパソコンに取り込む場合。
  パソコンとGPSをUSBケーブルで接続して、GPSの電源を入れます。
 【GPS操作】
  メインメニュー → 設定 → インターフェイス と操作して、インターフェイス画面が表示されている状態で、スティックを押します。

  これで、マイクロSDが一つのファイルとして、パソコンに認識されます。
  操作マニュアルでは、このマイクロSDはパソコンでは「F:」として認識され、この「F:」がすでに存在すると認識されないと記述されています。
  しかし、Windows XP pro では未使用のドライブ記号が割り当てられて、通常のリムーバルディスクとして認識されました。
  Windowsソフトのエクスプローラで普通に操作できます。
  処理が完了したら、GPSの電源をOFFにして終了します。



(行動中に使用する機能)

度経度の表示
 「Hddd mm SS.S 」 で緯度経度を2段表示します。
  受信状態が良好であれば、最高精度で誤差±5m程度になります。
  1/25000地形図では1mmが25mですので、地図上の誤差が1mm以内になります。
起動/衛星状態ページ 起動/衛星状態ページ
画面の上方に緯度・経度を表示します。
位置誤差も表示します。

高度(m)の表示
 気圧高度計を内蔵しています。
 GPS電波からも高度を計算していますが、気圧高度計よりも誤差が大きいと云われています。
高度ページ 高度ページ
画面下方に現在高度を表示します。

軌跡の表示
 ディスプレイ上に歩いた軌跡を表示します。
 表示縮尺の拡大・縮小ができます。
地図ページ 地図ページ
当日のGPSの軌跡を表示します。
地図が格納されていると、地図上に合成表示します。
GPS起動 GPS軌跡の拡大表示
表示する縮尺を変更できます。
藻岩山から延びている線が軌跡ログです。

地図の表示
  別売の10m等高線仕様地図(ただし登山道の表示なし)を表示できます。
  地図は現在位置に連動して表示されます。表示縮尺の拡大・縮小ができます。
  狭い範囲しか表示できないので、1/25000地形図の代わりには使用できません。
地図ページ 地図ページ
JAPAN TOPT-10M 地図 JAPAN TOPO-10M 地図を表示。
表示する縮尺を変更できます。

(道迷い時に使用する機能)

トレースバック(軌跡ナビ)
 当日の軌跡を一旦軌跡ログに格納します。
 その後、軌跡ナビを選択してトレースバック(軌跡ナビ)を開始します。
 画面上に進む方向が表示されますので、それに従って進むと出発地点に戻ることができます。

(注意点)
軌跡ログに格納する場合に、当日の軌跡データを間引きして格納(最大500ポイントに圧縮)しますので、条件によっては細かいジグザグが再現されない場合があります。

実際に使用する場合に慌てないようにするために、登山道のしっかりした山で何度か練習して、使い方を習熟しておくことが必要です。また、その性能の限界についても把握しておくことが必要です。

この機種になって、画面上に軌跡ログも表示され、それに従って戻るように行動できますので、以前の機種のように進行方向が矢印表示だけの場合よりも、格段に進歩しています。 曲がり角では、予告画面がでて分かり易く誘導します。
軌跡ページ 軌跡ページ
軌跡ログは最大20件格納できます。
1ログは最大500ポイント。

(記録用資料として使用する機能)

総上昇量(m)
 縦走路などを歩いた場合に、合計の上昇量を知るのに便利です。
高度ページ 高度ページ
画面上方に表示します。

積算距離(km)(m)
 当日の移動距離を積算して表示します。 表示=○○.○○km
トリップコンピュータページ トリップコンピュータページ

積算距離 画面上方に積算距離を表示します。
積算距離の他、各種のデーターを表示。
表示するデータは入れ替えできます。

地図に軌跡表示(カシミール3D・山旅倶楽部使用)
 無料ソフト「カシミール3D」に、GPS軌跡を格納して利用します。
 有償の「山旅倶楽部のオンライン地図」を使用して、パソコン画面で1/25000地形図上にGPS軌跡を合成表示させ、保存したり印刷出力したりすることができます。

1/25000地形図 1/25000地形図
軌跡ログを合成して表示(印刷)
カシミール3Dを使用して作成

距離・高度グラフ(カシミール3D・山旅倶楽部使用)
 無料ソフト「カシミール3D」にGPS軌跡を格納して利用します。
 「カシミール3D」を使用して、距離(横軸)・高度(縦軸)のグラフを作成できます。 
 登山道の全容を把握するのに便利です。この他にも、色々なグラフが作成できます。

距離・高度グラフ 距離・高度グラフ
軌跡ログを使用
カシミール3Dを使用して作成

(山行の準備のために使用する機能)

断面図(カシミール3D・山旅倶楽部使用)
 無料ソフト「カシミール3D」と有償の「山旅倶楽部のオンライン地図」を使用します。
 パソコン画面上に1/25000地形図を表示させて、「断面図」の作成を選択して、予定登山道の上を一定間隔でマウスをクリックしていきます。
 小ピークやコルを逃さずにクリックしますと、より正確な断面図が描けます。
 確定させると断面図を表示します。断面図は事前に登山道の全容を把握するのに非常に便利です。
 ただし、地図上の登山道には細かなジグザグは表現されていないので、実際の移動距離は断面図より多くなります。
 また、10m未満のアップダウンが続いている登山道では、実際の総上昇量(累積標高)は、断面図の累積標高よりも多くなります。

(参考)
 等高線の表示は10m間隔ですので、10m未満のアップダウンは地図には表示されていません。
 従って地図上では平坦に見えても、実際の登山道では険しい細かなアップダウンが連続していることがあります。
 地形図だけでなく、ガイドブックなどでも登山道の状態を把握しておくことが必須です。


断面図 断面図
カシミール3Dを使用して作成

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3 GPSの設定


私は測地系を「日本測地系」で使用していますので、それに合わせて説明します。
GPSの購入時には、測地系は「世界測地系(WGS84)」がセットされているはずですので、「日本測地系」に変更します。

もし、「世界測地系」で使用するのであれば測地系の変更は不要ですが、地形図に書く1分毎の直線も「世界測地系」に合わせる必要があります。(重要)

(Vista C 日本版の設定変更方法)
設定→ユニット
ユニット設定
 位置フォーマット → Hddd mm SS.S
 測地系     → TOKYO (日本測地系)
 距 離       → メートル
 高 度       → メートル

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4 地図の準備

1/25000地形図
国土地理院の発行する1/25000地形図を使用します。
緯度経度はそれぞれ「度・分・秒」で表示されます。
1/25000地形図の緯度経度の「1分」毎に正確に直線を引きます。
その直線の邪魔にならないところに、「度・分」を書き込みます。

最近販売されている地形図には、「日本測地系」と「世界測地系」の両方の値が表示されているので、必ず「日本測地系」に基づいて線を書き込みます。


主要な山域では、1/25000地形図に1分ごとに緯度経度を書き込んだ、GPS利用を前提にした登山地図が販売されています。この登山地図を使用する場合は、登山地図の測地系にGPS装置の測地系を合わせる必要があります。

写真の地図は、山旅倶楽部のオンライン地図を緯度経度表示で印刷したものです。
ほぼ正確な縮尺で1/25000地形図が印刷されています。
オンライン地図では、任意の範囲を指定して一枚に印刷できますので、非常に便利です。

国土地理院の地図を使用する場合、登山道が複数の地図にまたがっている場合には、複数の地図を携帯する必要があります。また、使う場合も地図をつき合わせて見る必要があるなどかなり不便ですが、オンライン地図の印刷出力でこの不便が解消されます。

広い範囲を指定して印刷出力すると、貼り合わせる糊代を空けて、複数枚に分割して印刷出力しますので、簡単に貼り合わせることができます。
1/25000地形図 1/25000地形図
1分単位の直線は強調表示しています。

測地系(日本測地系と世界測地系)

我が国では、明治政府が近代国家に不可欠な全国の正確な地図である5万分の1地形図を作るために、基準点網を全国に整備しました。
この時、東京天文台の経度・緯度が天文観測により決定され、この位置が現在の日本経緯度原点となりました。
この測地基準系を「日本測地系」と呼んでいます。
しかし、人工衛星などにより地球規模の観測ができるようになった今日では、日本測地系は、残念ながら、地球全体によく適合した測地基準系であるとは言えなくなってしまいました。

一方で、地球全体によく適合した測地基準系として、人工衛星などを用いた観測によって明らかとなった地球の正確な形状と大きさに基づき、世界測地系が構築されています。

同じ緯度経度でも、北海道では「世界測地系」は「日本測地系」から南東に約400mずれた位置を示します。
   日本測地系  TOKYO
   世界測地系  WGS84 (1984年世界測地測量)

(参考)
磁北と真北の違いについて
地球磁場の中心であるS極とN極の位置が北極点と南極点に一致していないため、磁石が示す北(N:磁北)は真北からずれています。 (注:地球の北極側はS極で、それで磁石の磁針N極が北を指します。)
北海道では磁北は真北より西に約9度偏った方角になります。これを西偏といいます。
真北を0(360)度として時計回りに見ると、北海道では磁石の示す北(磁北)は、約351度になります。

この西偏値は、北海道の中でも東西で少しずつ変わりますが、平均で西偏9度として問題はありません。
この西偏値は、国土地理院の地図にも印刷されています。
地図を作製後に、この西偏値に基づいた短い線を入れておくと、地図を真北に向けて置くのに便利です。
山旅倶楽部のオンライン地図を印刷出力する場合には、設定でこの西偏値の短い線の印刷が指定できます。


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5 GPSの有効活用で必要なもの


GPSを現在位置の確認のためだけに使用するのであれば、必要な物は次のとおりです。
  GPS装置     (緯度経度を表示できる、最も安価なものでよい)
  マップポインター (経緯度読取定規)
  シルバコンパス
  市販の1/25000地形図

(購入先)
山岳用品店(札幌なら秀岳荘など)や、インターネット通販でも購入できます。

GPSを有効に活用したいのであれば、次の物を用意する必要があります。
  GPS装置     (高機能なタイプ)
  マップポインター (経緯度読取定規)
  シルバコンパス
  1/25000地形図  (可能なら、山旅倶楽部のオンライン地図を印刷出力する)
  TOPO−10M  (日本地形図10m等高線仕様、GPS格納用地図)

(パソコン関係)
  パソコン
  カラープリンタ
  インターネットの接続
  カシミール3D(パソコンソフト、無料)
  山旅倶楽部の利用(オンライン地図、有料)
GPS装置 Garmin ETREX VISTA C 日本版
(カラー、日本語表示)
1/25000地形図 1/25000地形図
シルバコンパス シルバコンパス
地図を正確な真北に向けて置くのに必要です。
視界不良時や、行動開始時に進行方向を確認するのにも必須です。その他にも有効な利用方法があります。
GPSのコンパス機能では代用できません。
マップポインター マップポインター (経緯度読取定規)
緯度1分の距離は、緯度に関係なく一定です。
経度1分の距離は、高緯度になるほど短くなります。
このため、使用地域に合わせた縮尺のマップポインターが販売されています。
TOPO−10M TOPO−10M
(日本地形図10m等高線仕様)
GPS格納用地図
GARMIN社製GPS専用です。

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6 GPSを使って地形図上で位置を確定する方法

GPS装置、地形図、マップポインターを使用します。
(1) 地図を平らな所に拡げます。
(2) GPS装置から緯度を読みとります。
(3) マップポインターの縦の目盛(秒の値)を、緯度の分の線に合わせます。
(4) GPS装置から経度を読みとります。
(5) マップポインターの横の目盛(秒の値)を、経度の分の線に合わせます。
(6) データーポイントと表示された穴の位置が、地図上の現在位置になります。

写真の例で説明します。

地形図にマップポインタをセット 1/25000地形図上に、マップポインターを
セットした状態。

 GPSの表示  緯度 N 43−50−45
           経度 E143−03−35

(1)マップポインターの緯度を合わせます。
   縦の目盛の45(秒)を、地図のN43−50の線に合わせます。

(2)マップポインターの経度を合わせます。 
   横の目盛の35(秒)を、地図のE143−03の線に合わせます。

(3)データーポイントと表示された穴の位置が、地図上の現在位置になります。

(注意点)
上記の作業で位置を確定できたら、マップポインターを動かさないようにして、もう一度GPSの緯度経度の値を読んで、間違いの無いことを確かめてください。


地図上の登山道の位置は、正確な場合もあれば、ずれている場合もあります。
ずれの発生原因は、地図の製作時に最初から実際の位置からずれて記入する場合と、登山道の付け替えや崩落などで迂回している場合など、色々な原因が考えられます。

実際にGPSの軌跡を1/25000地形図上に表示して見ると、結構ずれている箇所があります。
樹木の少ない地帯の地図では、登山道は比較的正確に描かれているようです。
しかし、樹木の多い地帯では、地図製作用の航空写真では実際の登山道の把握が難しく、誤差が生じ易いと云われています。
国土地理院も、最近は登山道の記入にはあまり積極的でないとも云われています。
正確な登山道を描くためには、現地調査が必要になりますが、そのためには人員機材を投入しなければなりません。

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7 カシミール3D

http://www.kashmir3d.com/

非常に優秀な「3D地図ナビゲータソフト」で、無料です。
カシミール3Dのホームページから簡単に入手(ダウンロード)できます。
GPSやオンライン地図との連携が簡単にできるようになっています。
沢山の優れた機能のプラグイン(無料)が用意されています。
ソフトの更新も必要なつど行われていますので、安心して使用できるソフトです。

(登山用の便利な機能) 山旅倶楽部のオンライン地図を併用します。
●パソコンにGPS軌跡ログの保存。
●地形図上にGPS軌跡を表示
●距離・高度グラフの作成(この他にも色々なグラフが作成できます)
●鳥瞰図の作成(GPS軌跡を入れた鳥瞰図も作成できます)
●断面図の作成
●登山用地図(1/25000地形図)の印刷 緯度経度線(1分毎)を入れて印刷できます。

  パソコンとプリンタの組み合わせによっては、1/25000地形図と同一縮尺で印刷されるように調整する必要があります。同一縮尺で印刷できない場合は、行動用の地図には利用しないでください。

GPS軌跡ログ GPS軌跡ログ
カシミール3Dで格納しているデーター内容。
一旦GPSの軌跡ログエリアに格納すると、その時点で時間情報のみ消去されてしまいます。
1/25000地形図 1/25000地形図
登山に携帯する地図
GPS軌跡を合成表示 1/25000地形図にGPS軌跡を合成表示
距離・高度グラフ 距離・高度グラフ
軌跡ログを使用
鳥瞰図 (夏山イメージ) 鳥瞰図 (夏山イメージ)
GPS軌跡を合成表示
鳥瞰図 (地図合成イメージ) 鳥瞰図 (地図合成イメージ)
GPS軌跡を合成表示
断面図 断面図

(使い方)
基本的には、同ソフトのヘルプで使用方法が判ります。
パソコン初級者やこのソフトを徹底的に使いこなしたい人のために、使い方の本が販売されています。
書店で購入できます。

『カシミール3D入門』
カシミール3Dの解説本です。ソフト+地図が付いたCD−ROMも付属。

『カシミール3D GPS応用編』
『カシミール3D入門』で解説されなかったGPS関連機能を詳しく解説。
入門編の5万図とつなげて使える西日本5万図も付属。 最新20万図も収録されています。

『カシミール3D パーフェクトマスター編』
カシバードの詳細機能、ムービーの作成法、地図の応用などを詳しく解説。
入門編とGPS応用編の5万図とつなげて使える北日本5万図も付属。
3冊で日本全国がつながります。

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8 山旅倶楽部


http://www.yamatabi.net/main/club/club.html

「山旅倶楽部」を使用するためには、ライセンスキーの購入が必要です。
年会費2,800円(税抜き)で、膨大な地図とコンテンツが使い放題になっています。
「山旅倶楽部」の地図は、1/25000地形図をデジタル化した国土地理院発行の数値地図を元に作成されています。
旅のデータを生かす豊富な機能やコンテンツも用意されています。
登山のシミュレーション・フォトアルパム・山行記録の作成が可能です。

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9 (GPS格納用日本地形図)


TOPO−10M(日本地形図10m等高線仕様)
販売元 株式会社いいよねっと
http://www.iiyo.net/
TOPO−10M TOPO−10M
(日本地形図10m等高線仕様)
GPS格納用地図
GARMIN社製GPS専用です。

国土地理院発行の1/25000地形図をもとに作成されていて、10m間隔の等高線も表示されます。
ただし、登山道は表示されませんので、登山地図の代用にはなりません。
GPSの画面上に地図と軌跡を併せて表示することで、現在位置の把握が容易になります。
GPSの画面表示では、表示縮尺の拡大・縮小ができます。
GARMIN社製のGPS専用で、利用可能な機種にも制限があります。

(GPSへの転送方法)
ソフト全体のデーター容量が大きいため、一旦パソコンに同ソフトを格納して保存します。
使用する場合は、パソコンとGPS装置を通信ケーブルで接続します。
通信ケーブルはGPSに同梱されてきます。
ソフトを起動して、GPSの地図格納領域に収まるように範囲を指定したら、GPSに転送します。
既にGPSに格納されている地図データと自動的に入れ替わります。

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10 GPS関係のホームページ


(GARMIN社)
 メインページ
 http://www.garmin.dk/

 GPS製品ページ
 http://www.garmin.dk/products/list/4/

(ガーミン社の日本代理店)
 株式会社いいよねっと
 http://www.iiyo.net/

(GPSの説明)
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 全地球測位システム(GPS)

(GPS関連ホームページのリンク集)
中澤バナー 中澤和夫のホームページ
 http://www.valley.ne.jp/~kazuo/

(3D地図ナビゲータソフト)
 カシミール3D
 http://www.kashmir3d.com/

(オンライン地形図)
 山旅倶楽部
 http://www.yamatabi.net/main/club/club.html

(GPS格納用日本地形図)
TOPO−10M(日本地形図10m等高線仕様)
販売元
 株式会社いいよねっと
 http://www.iiyo.net/


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11 標準と省エネモードの比較

標準モードでは衛星信号の捕捉を1秒毎に行っています。
省エネモードの場合は、衛星信号の捕捉頻度を減少させて、電池を長持ちさせています。
そこで、両モードで藻岩山の同じ登山道を歩いて、ポイント数と軌跡を比較してみました。

本例では、標準モードで藻岩山約2時間の軌跡ログが約600ポイントになっています。
2時間は7200秒ですから、実際には1/12に集約(間引き)されて記録されていることになります。
この集約の度合いは、歩行速度・登山道の曲折・昇降の具合で大きく変わってくると思われます。

記録ポイント数)
     標準モード    省エネモード
往路    300       99 (33%)
復路    295      134 (45%)
 計     595      233 (39%)

標準モード 標準モード
藻岩山 全コース(往路のみ表示)
標準モード 標準モード
赤線  往路   往路と復路の軌跡がほぼ一致している。
青線  復路   全体の軌跡が細かく表示されている。

(往路の開始部分)
省エネモード 省エネモード
赤線  往路   往路と復路の軌跡が大きくずれている。
青線  復路   この部分は軌跡が粗く表示されている。

(往路の開始部分)
標準モードと省エネモードの比較 標準モードと省エネモードの比較
赤線  標準モード   軌跡が細かいのがわかります。
青線  省エネモード  軌跡が粗いのがハッキリわかります。

(往路の開始部分)


(まとめ)
詳細な記録を取る必要がある場合は、迷わず「標準モード」を選ぶべきと思います。


モードの切り替えは、「メインメニュー」→「設定」→「システム」でシステム設定画面を表示して、GPS欄でモードを選択します。
   「標 準」 1秒間に1回衛星信号の捕捉を行います。
   「省エネ」 衛星信号の捕捉頻度を減少させ、電池を長持ちさせます。

軌跡ログの最大値の制限
標準モードの場合は、省エネモードに比べて約2〜2.5倍のポイント数になると予想されますので、格納領域の空き容量が問題になります。

ログの記憶容量は最大で10000ポイントなので、それを超えると先頭部分から上書きされてしまいます。
長時間の詳細な記録データーを残したい場合は、注意する必要があります。
一旦ログの保存エリアに格納すると、その時点で500ポイントに圧縮されてしまいます。
軌跡ログ画面の上部に、記憶領域の使用率が表示されています。

(参考)
最新版の「VISTA Cx 日本版」はMicroSDカード装置を追加したことにより、記憶できる軌跡ポイント数はmicroSDメモリの範囲内で無制限となっています。

予備電池について
標準モードで動作させた場合は電池の消耗が早いので、電池残量に注意を払っていることが必要です。
「電源/バックライトキー」を一押しすると、電池残量が表示されます。
標準モードで使用する場合は、予備電池を多めに携帯する事が必要になります。

(藻岩山の例を参考にして計算)
藻岩山 行動2時間 600ポイント → 300ポイント/時間
10000/300=33.3(時間)

10000ポイントで約33時間分の記録が期待できそうですが、果たして実際は何時間分の詳細データーを記憶できるのでしょうか。 もう少しテストを続ける必要があるようです。

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12 GPSテスト結果(TP積算距離・ログ軌跡距離・総上昇量)

購入した VISTA-HCX のTP積算距離・ログ軌跡距離・総上昇量などを、VISTA-C と比較しています。

2008年5月26日付日記 「GPSのテスト結果です。NO.1」
2008年6月25日付日記 「GPSのテスト結果です。NO.2」

2008年9月01日付日記 「GPSの異常な距離表示が正常になりました。」


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13 GPS軌跡ログの格納件数の制限について

2010年7月1日付日記 「GPS軌跡データーの記録中断」の原因が判明しました。

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