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アウトドア日記

個人の日記を兼ねていますので、アウトドア以外の記述があります。

2010年3月20日(土)
今日からアイゼンとストックの写真を連載します。

登山に行けないので、手持ちのアイゼン4種類とストック3種類の写真を連載することにしました。

(アイゼン)
4本爪アイゼン
6本爪アイゼン
12本爪アイゼン
アイス用アイゼン

(ストック)
3段式 ブラックダイヤモンド
2段式 TOURLITE
3段式 LEKI

今日は初日ですので、4本爪アイゼンをアップします。

最小タイプの軽アイゼンですので、効果は限定されます。

6本爪アイゼンと爪の数は2本しか違いませんが、制動力は6本爪アイゼンの数分の一程度です。

私の場合、冬季間は6本爪アイゼンを常用していますので、ツボ足登山時に必要により非常用として携帯します。

この4本爪アイゼンには思い出があります。

以前、雪上テント泊ツアーに参加した時に、「ツボ足+ストック+4本爪アイゼン」装備で堅雪の急斜面を登ったことがあります。

非常な急斜面のため、ガイドがピッケルとキックステップでつけた跡を利用しましたが、この時非常用にアイゼンを携帯していたのは私だけでした。

あとで他の参加者が「非常に恐ろしかった。」といっていましたが、アイゼンを付けていても恐ろしかったので、その気持ちが良くわかりました。

あの時ほど、4本爪アイゼンをありがたく感じた事はありません。

アイゼン
(上) 14本爪アイゼン(アイス用)
(中) 12本爪アイゼン(平爪)
(下) 6本爪アイゼン、4本爪アイゼン



アイゼン アイゼン

以下4本爪アイゼンです。




アイゼン アイゼン






アイゼン アイゼン







アイゼン

2010年3月21日(日)
今日は6本爪アイゼンの写真です。

私の場合は、冬期間は6本爪アイゼンを常用しています。

前日の4本爪アイゼンと比べると、飛躍的に制動力がアップしています。

性能的には12本爪アイゼンに近くなりますが、勿論性能的にはハッキリした差があります。

通常、ツボ足による急斜面の下降時には、登山靴の底を水平に保ち、踵を雪面に強くキックするヒールキックを多用します。

アイゼン装着時は、雪面にアイゼンの爪を均等に接する様に歩くフラットフッティングが原則ですので、可能な限りこのスタイルで下降します。

しかし、斜面が急になりフラットフッティングが難しくなると、最後はヒールキックを使用することもあります。

6本爪アイゼンの場合は、爪が踵部には無いので、アイゼンの爪を利用したヒールキックができません。

弱点と云えば弱点ですが、このような状況が予想される場合は、初めから12本爪アイゼンを携行することが必要でしょう。

6本爪アイゼンまでは、軽アイゼンに分類されています。

6本爪アイゼンでもかなりの性能を発揮しますが、過信は禁物です。

アイゼン
(上) 14本爪アイゼン(アイス用)
(中) 12本爪アイゼン(平爪)
(下) 6本爪アイゼン、4本爪アイゼン



アイゼン アイゼン

以下6本爪アイゼンです。




アイゼン アイゼン






アイゼン

2010年3月22日(月)
今日は12本爪アイゼンです。

アイゼンの種類には、4本爪、6本爪、8本爪、10本爪、12本爪、14本爪と色々あるようです。

通常の雪山登山で使用するアイゼンは12本爪までで、14本爪アイゼンはアイスクライミング用です。

構造的には、次のようになります。

一体型:  4本爪、6本爪アイゼン

前後分離型: 8本爪以上

10本爪アイゼン以上は、前方に突き出した前平爪・前縦爪があります。
 
 8本爪 (前平爪0+前4+後4)
10本爪 (前平爪2+前4+後4)
12本爪 (前平爪2+前6+後4)
14本爪 (前縦爪2+前8+後4)

前日の6本爪アイゼンと比較すると、爪も長くなり、爪自体も尖っています。

使用する登山靴は、強固な底をした、たとえて云えば一枚板のように絶対に曲がらない強度が必要です。

アイゼンの保持方法が、この靴底が捻れたり反ったりしない一枚板と同じ強度を持っていることを前提としているためです。

従って、通常の12本爪アイゼンを使用する登山靴は、重登山靴に分類されます。

アイゼンは、登山靴底に合致するように前後の長さを調整できるようになっています。

急坂を歩行中にアイゼンが外れると生死にも関わることになるので、長さをしっかり調節して確実に登山靴に固定するようにします。

もう一つの特徴は、前方に突き出した前平爪があることです。

直線に歩くときはそれほどでもありませんが、急なカーブを曲がるとき(体の方向転換時)は注意が必要です。

最初の内は、アイゼンの爪を反対側の足などにに引っかけて、かなりの回数転倒を経験します。

引っかけないためには、足を少し開き、曲がるときには前方に少し大きく踏み出す必要があります。

前縦爪のあるアイゼンを使用する場合は、購入したら低山で十分に歩行練習して、無意識でもアイゼンを引っかけないで歩けるようにする必要があります。

本番の危険な場所で、アイゼンを引っかけて転倒すれば、そのまま滑落事故などを起こすことにもなります。

アイゼンの幅が靴幅とほぼ同じなのも、引っかける大きな原因です。

もう一つは、爪が長いので、しっかり足をあげて爪を雪面に引っかけないようにすることです。

足のあげかたが不足していると、雪面に爪を引っかけて転倒することもあります。通常の摺り足で歩くのとは全く違います。

非常に強力な保持力を発揮する用具ですが、そのかわりに装着時は十分な注意が必須となります。

くれぐれも、十分な練習なしに本番で使用されることがありませんように。

アイゼン
(上) 14本爪アイゼン(アイス用)
(中) 12本爪アイゼン(平爪)
(下) 6本爪アイゼン、4本爪アイゼン



アイゼン アイゼン

以下12本爪アイゼンです。




アイゼン アイゼン






アイゼン

前平爪です。
これだけ突き出ているので、注意が必要です。



アイゼン

後ろ側の締め具の状態です。





アイゼン
靴の後ろ側の窪みに、締め具の爪をしっかり合わせます。
この窪みのない登山靴には、12本爪アイゼンは
装着できません。



アイゼン (左)12本爪アイゼン
(右) 6本爪アイゼン
爪の長さに格段の差があります。
12本爪アイゼンは、爪も尖っています。

2010年3月23日(火)
今日はアイスクライミング用のアイゼンです。

アイスクライミング用と普通の12本爪アイゼンの違いは前爪にあります。

12本爪アイゼンの方は水平の爪ですので平爪と呼び、アイスクライミング用はナイフの様な形をしているので縦爪と呼びます。

この前縦爪には2種類あって、1本装備のものと、写真の2本装備のものがあります。

氷壁のクライミング中は、基本的に体重はこの前縦爪で支える事になります。

アイスクライミングで最初に教わるのは、この前縦爪は突き刺すのではなくて、極力氷壁の窪みや割れ目に引っかけて使うということです。

そうすることで、早く登れることと、足の疲労を軽減できるためです。

1本爪は細い割れ目などを利用しやすいですが、1本に全荷重が掛かる関係で、氷を壊しやすい面もあります。

2本爪の場合は、荷重が分散して、安定性も良くなりますが、前縦爪2本を支える窪みが必要になります。

プロのガイドは1本爪を使用していましたが、参加者は皆2本爪を使用していました。

写真のアイゼンも1本爪用に変更することができます。

引っかけるところが無ければ、当然突き刺す事になりますが、これがなかなか大変です。

気温が低くて氷が締まっているときは、蹴りこんでも跳ね返されることもあり、表面の氷の層が剥がれたりすることもあります。

手で使用するバイル(小型のピッケル)やこの前縦爪を氷りに突き刺す場合は、次のようにします。

氷壁の表面は真っ平らということはなく、多少波打って凸凹があります。

この凸に打ち込んでも、剥がれてしまうことがあるので、基本的に凹の部分に打ち込みます。

手の方は見ながら行えるのですが、つま先の方は確認がしづらいのと、狙った所に垂直に蹴りこむのはなかなか大変です。

爪を固定できずにもたもたしていると、体重を支えている片足と両手がどんどん疲労してきます。

1ピッチを登り切るまでは、両足はつま先だけで体重を支えることになりますので、ふくらはぎには非常に大きな負荷が掛かります。

クライミング前には、バイルとアイゼンの爪をヤスリで研いで、氷りに刺さりやすくします。

特に前縦爪は入念に仕上げます。強度を損なうことが無い範囲で、できるだけ鋭敏にします。バイルも同様です。

訓練では、転倒しても安全な氷の斜面で歩行練習もします。

どのような状況でも、アイゼンの底側全部の爪を氷面に均等に当たるように置き、身体の安定はくるぶしや膝を曲げてとります。

爪の片側や一部分だけ氷りに接するような使い方は、保持力を確保できないため行いません。

アイゼン
(上) 14本爪アイゼン(アイス用)
(中) 12本爪アイゼン(平爪)
(下) 6本爪アイゼン、4本爪アイゼン



アイゼン アイゼン

以下アイスクライミング用アイゼンです。




アイゼン アイゼン






アイゼン

靴の構造は、平爪12本爪アイゼンの場合と同じです。
同じ登山靴で、平爪と縦爪のアイゼンを使い分けます。



アイゼン 2本式の前縦爪です。1本式の場合は、
中央に爪がつきます。
次の二股に分かれた爪は、これが氷壁に接することで、
靴先を安定させる役目を担っています。



アイゼン

平爪でも初級のアイスクライミングは可能です。
ただし、アイス専用とは歴然とした性能差があります。



アイゼン
間違って足でも刺したら大事になりますね。
スパッツは傷の絶え間がありませんでしたが、
足の肉まで刺したことはありませんでした。

2010年3月24日(水)
今日はストックをアップします。

私は登山用に3種類のストックを使用しています。

多段式ストックの固定方法には2種類あります。

一つは、軸の外側にロック機構(フリック ロック システム)がついているものです。

もう一つは、軸の内部にロック機構がついているもので、軸を回転することでロックします。

当初は軸を回転させる方式のストックを使用していましたが、厳冬期に使用すると回転が不調になったりしたので、プロのガイドも使用している軸の外側にロック機構のあるものに買い換えました。(写真1〜6)

このロック機構の良いところはは、ワンタッチで開閉できることと、締め付け力をネジで簡単に調節できることです。

当然、軸の内部には全くロック機構がないため、長さの調整もスムースに行えます。


1.ブラックダイアモンド 3段式 (フリック ロック システム) 645g(2本)
ストック< ストック ストック






3段式で短くなるので、不要時にザックにつけても木の枝に引っかかることも少なく、大変便利に使用しています。

スキー用のアルミ製ですので、少し重たいのが欠点ですが、十分な強度があるので安心感はあります。

使用するのは主に冬季間ですが、沢登りなどでは季節に関係なく使用していました。


2.TOURLITE 2段式 (フリック ロック システム) 480g(2本)
ストック ストック ストック






2段式ですので、ちぢめてもかなりの長さがあります。

ザックにつけると、かなり上に飛び出すので、ザックにつけて歩くことが予想される場合は使用しません。

3段式よりは軽いので、たまに使用することはありますが、出番はあまり多くはありません。

3.LEKI ハイキングポール 3段式 294g(1本)
ストック ストック
長期間使用したため、大分くたびれてきました。
そろそろ更新の時期にきています。



私の場合、冬季以外はストックは1本で十分ですので、このステッキ型のLEKIを使用しています。

ステッキ型については、次のような個人的な意見もあります。

「下りで、ステッキ部に体重を掛けた場合に、ロックの締め付け力が不足していると、ポールが縮んで転倒する恐れがある。」
「転倒により、怪我や滑落などの事故が発生する危険性があるので、ステッキ型は使用しない方がよい。」というものです。

私の場合は、長さを変更したらかなりの体重を掛けて、ロックが完全に行われていることを毎回確認しています。

通常形状のストックでも、ロックが不十分であれば同じような危険性があります。

ストックはあくまでも歩行用補助具ですので、石突きが滑ったり、ポールが縮んだり、折れたりしたときに事故が予想される様な使い方は避けるべきでしょう。


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